産業保健師を目指して転職活動していると
「産業保健師になれたらどこでもいい!」
という気持ちになりませんか?
- 転職活動が初めて
- なかなか求人に出会えない
- 産業保健師になれたらどこでもいい
- とにかく今の職場を辞めたい
こんな状況の時は冷静な判断を失いがち!
求人案件に出会えて浮かれて求人票の確認を怠ると、せっかく転職できたのに
「こんなはずじゃなかった!」
「あの時もっと確認しておけば…」
と後悔することもあります。
この記事では、産業保健師を目指す人が確認するべき求人票の項目を以下2つに分けて解説しています。
- 求人票で絶対チェックするべき「待遇面」の表記
- 産業保健師の「仕事内容」はココを確認
私自身がそうだったのですが、看護師をしていると雇用形態や給与形態など意識する機会が少ないように感じます。
看護師から初めて一般企業への転職を目指す人が多いと思うので、ぜひこの記事を参考にしてみてください✨
「求人票」ちゃんとチェックしてる?
産業保健師を目指す人にありがちなこと、それは…
産業保健師になれたらなんでもいいや!
と求人票をよく確認しないことです。
産業保健師は狭き門。
大切なのは一歩踏み出して経験を積むことですが、求人票をよく確認しないとトラブルが起こることも…。
チェックしていないとこんなトラブルが…
求人票をよく確認せず、案件に飛びついたらこんなトラブルにつながるかも!
- 思っていたより給与・賞与が少なかった
- 想像していた仕事内容と違った
- スキル不足で苦労した
もちろん希望条件を満たした完璧な求人が出ることの方が稀です。
しかし求人票をよく確認し、自分が働く職場の「待遇」「仕事内容」について納得していないと入職してから後悔や不満が出てくるもの。
求人票をチェックするポイントを学び、あなたの中の「絶対譲れない条件」が満たされているか確認しましょう!
【待遇面】求人票のココを確認!
まずは「待遇面」を確認する6つのチェックポイントについてご紹介します!
職場環境改善や給与アップを目的に産業保健師を目指す人も多いですよね。
なんとなく「産業保健師=ホワイト企業で安泰に勤務」というイメージがつきがちですが、中には例外もあるのでよくチェックしましょう!
①雇用形態
一番大切な確認事項です!
雇用形態は大きく2つに区分されています。
「正規雇用・非正規雇用」と「直接雇用・間接雇用」です。
まずはこれらの用語の意味を理解しましょう。
- 正規雇用…雇用期間の定めがない無期雇用の働き方。企業に直接雇用される。
- 非正規雇用…正規雇用以外のすべての雇用形態のこと。有期限で企業に雇用される。
- 直接雇用…企業と従業員が直接雇用契約を結ぶ。
- 間接雇用…人材派遣会社(派遣元企業)と雇用契約を結ぶ。
産業保健師の雇用形態は、大きく分けて次の5パターン
- 正社員
- 契約(嘱託)社員
- 派遣社員
- 紹介予定派遣
- 産休代替派遣
それぞれ雇用の区分や特徴が異なりますので、ひとつずつ説明していきますね✨
- 正規雇用かつ直接雇用
- 雇用期間の定めなし(無期雇用)
- みんなが憧れる雇用形態だが、未経験でいきなり正社員雇用の求人は減ってきている。
- 安定性は抜群。
- 産業保健師の求人が少ない地域だと、正社員雇用にこだわりすぎるとなかなか転職できない。
- 非正規雇用かつ直接雇用
- 雇用期間の定めあり(1年ごとの契約更新が多い)。契約更新されない場合もある。
- 産業保健師の場合、正社員とほぼ同じ給与水準なことが多い。
- 正社員と違い、一部の福利厚生が使えない場合がある。
- 会社によっては正社員登用試験を受けられる。
- 非正規雇用かつ間接雇用
- あいだに派遣会社が入るので、人間関係のトラブルの際など対応してもらいやすい。
- ひとつの企業で継続して勤められるのは長くても3年間と決まっている。
- 就業規則や福利厚生は派遣会社のものが適用される。
- 契約外の業務は自分の判断で引き受けず、派遣会社に確認を取る必要がある。
- 給与は時給制
- 派遣社員の雇用は「労働者派遣法」に従って行われます。
- 非正規雇用かつ間接雇用(のちに直接雇用)
- 基本的には「派遣社員」と同じ。
- 「派遣雇用だから」と避けがちだが、試用期間(6ヶ月)だけ派遣社員として雇用され、企業と派遣社員の双方が合意したら直接雇用に切り替わる。
- ただし、必ず正社員登用してくれるわけではなく、契約社員として直接雇用されることもある。
- 紹介予定派遣について詳しく知りたい方はコチラ
- 非正規雇用かつ間接雇用
- 基本的には「派遣社員」と同じ。
- 産休・育休に入る社員の代わりに派遣社員として雇用される。
- 社員の産休・育休が明けたら契約終了。1~3年程度の雇用になるが、契約期間が予想しづらい。
- 長期的に雇用される保証がないので避ける人が多く、求人の競争率は比較的低い。
- 期間限定だが、産業保健師の経験を積むことができるので、その後の転職に役立つかも。
- 産休代替派遣について詳しく知りたい方はコチラ
②給与形態
給与の支給は次の3つの方法があります。
- 月給制
- 年俸制
- 時給制
まず派遣社員の場合は「時給制」で雇用されます。
地域差はありますが、産業保健師の相場は
時給2000~2500円
※地方ほど時給が安い傾向。
時給2000円をきることも。
時給の設定が高めなので、正社員・契約社員として雇用された場合の年収とそれほど差がでません。
ただし!
時給制にはこんなデメリットがあることも覚えておきましょう!
- ほとんどの場合、賞与(ボーナス)の支給がない
- 大型連休で出勤日数が減る月は大幅に給与ダウン
続いて、正社員・契約社員についてです。
この場合「月給制」か「年俸制」のどちらかで雇用されます。
「月給制と年俸制はどう違うの?」と疑問を持つ方もいると思いますので、詳しく解説していきます!
月給制と年俸制の違い
- 1か月単位で賃金(基本給)が固定されている給与形態
- 大型連休などで就業日数が少ない月も基本給が減額されることはない
- 欠勤した場合も、その分は減給されない(完全月給制の場合のみ)
- 会社が定めた基準で昇給するので、短期間での大幅な給料アップは難しい
- 一度上がった月給は簡単に引き下げられない
- 会社の経営が傾いた際、減給される可能性がある
- 支払われる賃金を1年単位であらかじめ定める制度
- 予定された1年間の賃金の12分の1が毎月支払われる。口座に振り込まれるのは各種税金控除後の額(支払い回数を増やすことも可能)
- 会社の経営状態が傾いても、毎月の支給額を減らすことはできない
- 期待される個人のスキルに見合った年俸額を提示され、合意の上で契約する
- 前年度の成果によって、次年度の年俸が大きく下がる可能性もある
- 賞与も年俸に組みこまれており、ボーナス月に支給されることが多い
- 契約内容によっては一部残業代が支払われないことがある(みなし残業制や裁量労働制が採用された場合など)
- 退職金が支払われるかは契約による。場合によっては年俸に退職金が含まれていることもある。
月給制=安定
年俸制=成果主義
のイメージですね
それぞれの給与形態には一長一短がありますので、どちらが良いかはその人の価値観によります。
産業保健師は専門職なので、正社員・契約社員に関わらず年俸制で採用する企業も多いです。
給与に関してプラスαで確認しておきたいのは「資格手当」についてです。
特に気にしない人は読み飛ばしてOK✨
持っている資格に応じて「資格手当」が支給される場合があります。
その場合、支給方法が重要です。
資格手当の支給方法としては3つのパターンがあります。
- 「基本給(別途資格手当を支給しない代わりに高めに設定)」
- 「基本給(規定額)」+「資格手当」
- 「基本給(資格手当分を減額)」+「資格手当」
その理由はもらえるボーナスが少なくなるから。
ボーナスの支給額は、基本給の額を基準に決定されます。
パターン③の場合、毎月もらえる額はそれほど少なくありません。
しかし、基本給が減額されているためボーナス支給額が思ったより少なくてガッカリすることも。
贅沢は言えませんが、基本給は高めがお得!
資格手当支給の名目で基本給が低めに設定されると、ボーナスが少なくなるかも。
③勤務時間・時間外勤務(残業時間)
産業保健師の仕事は日勤のみ。
定められた就業時間内に働くことがほとんどですが、中にはフレックスタイム制が採用されている企業もあります。
フレックスタイム制とは…
フレックスタイム制は、一定の期間についてあらかじめ定めた総労働時間の範囲内で、労働者が日々の始業・就業時刻、労働時間を自ら決めることのできる制度です。
労働者は仕事と生活の調和を図りながら効率的に働くことができます。
引用:厚生労働省
例えば朝の通勤ラッシュを避けたい場合、始業・就業を1時間あとにずらすことが可能です✨
フレックスタイム制はすべての企業で導入されているわけではありません。
「適用されていたら働き方の幅が広がってラッキー」くらいの気持ちでいましょう!
確認必須なのは、時間外勤務(残業時間)についてです!
産業保健師の仕事は毎日定時で帰れるイメージがありませんか?
たしかに看護師に比べると時間外勤務は少なめです。
ただし保健師の配置人数や仕事内容によって実情はさまざま。
企業によっては、産業保健師も毎月20時間程度の時間外勤務をしていることもあります。
だいたいの時間外勤務の目安が求人票に記載されているので、確認しておきましょう。
給与形態に「みなし残業代●時間分」と記載されている場合があります。
これは指定された時間分の残業代が基本給に含まれているということ。
みなし残業時間を超えないと、残業が申請できません。
みなし残業について理解していないと、入職後に「こんなの知らなかった!残業している割に給料が少ない!」という事態に陥ります。
④休日・休暇
産業保健師の場合、完全週休2日制で働くことが多いです。
カレンダーどおりの勤務になるので年間休日は121日前後に設定されています。
一度カレンダーでゴールデンウィークや年末年始を確認してみてください。
間に平日が挟まっていて長い連休になっていないことがありますよね?
そんな場合、企業によっては間の平日を「年給充当日」に指定して全社員に強制的に有給休暇を取得させることがあります。
こうして10日間弱の「超大型連休」が爆誕します。
これは正社員・契約社員にとってはありがたいだけの制度ですが、派遣社員は注意が必要。
時給で働いている派遣社員は、会社の休みが多いほど給料が下がる仕組みです。
大型連休がある月は、もらえる給与がガクンと下がると覚えておきましょう!
⑤退職金
正社員の場合⇒ほとんどの場合退職金がもらえます。
契約社員の場合⇒雇用契約によっては退職金が支払われないこともあるので、契約前に確認!
派遣社員の場合⇒残念ながら退職金は支払われないことがほとんどです。
⑥雇用保険・社会保険
求人票で以下4つが保証されているかは必ずチェックしましょう!
- 健康保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 厚生年金
とはいえ、産業保健師を雇用する企業はこれらの条件を満たしていることがほとんど。
正社員・契約社員として雇用される場合はそれほど心配しなくても大丈夫です。
ただし派遣社員として雇用される場合は要注意!
派遣社員は「派遣会社の就業規則」に従うことになります。
派遣会社の「待遇・福利厚生」を必ず確認してください!
【仕事内容】入社後を想像してみて
入職したは良いけど、自分には合わない…
とすぐに臨床に戻る方もいます。
求人票をしっかり確認し、入職後を想像してみましょう✨
①仕事内容
まずは担当業務を確認しましょう!
雇用形態に関わらず、産業保健師の担当業務はほとんど以下のようなものです。
- 健康診断
- ストレスチェック
- 特定保健指導
- メンタル対応
- ケガや急病対応
- 職場巡視
- 安全衛生委員会への出席
- 健康情報の発信
- 健康イベントの企画・運営
②対応人数
産業保健師は少ない人数で大勢の従業員に対応する必要があります。
企業によって基準はさまざまですが…
産業保健師が1人あたりで対応する従業員の数は多くても1000名くらい
記載されている対応人数があまりにも多い場合、仕事に慣れるまで少し大変かも💦
③人員構成
産業保健師は「1人職場」が多いですが、どんな職場も産業医は必ず選任されています。
産業医が常勤か非常勤かで働きやすさはだいぶ変わるので、産業医の雇用形態は要チェックです。
非常勤産業医は月に1回程度しか来社しないので、連携が大変なことも💦
また未経験から産業保健師を目指す場合、先輩保健師の存在は重要です!
できるだけ先輩保健師がいる職場を探すことをオススメします。
新人産業保健師の働く環境について、詳しく知りたい方はコチラの記事もオススメです✨
④診療機能の有無
産業保健師の仕事に中に「企業内診療所の業務」が含まれていることがあります。
企業の中に設置されたクリニックで看護業務をするイメージです。
今は診療機能を廃止する企業が増えていますが、中にはまだ診療を継続しているところも。
結論からいうと、診療業務がない方が産業保健師の仕事に集中しやすいです。
なぜなら診療業務があると、次のような仕事が増えるから
- 診療補助
- カルテ管理
- レセプト管理
- 内服薬準備
- 薬品の管理・補充
- 医療物品の管理・補充
働きやすい職場環境づくりに関連して産業保健師の担当業務は増えつつあるので、診療業務のない職場がオススメです!
⑤必要な経験・スキル
求人に応募するにあたって、以下のような条件が設けられていることがあります。
- 保健師資格必須
- 産業保健師の経験●年以上
- 臨床経験●年以上
条件によっては応募できないこともあるので、確認しましょう。
また、産業保健師はデスクワークが中心。
そのためPCスキルが必要です。
勤務するにあたり「どの程度のPCスキルが必要とされているか」も要チェック!
特にExelは要注意!
関数を使いこなすレベルが求められることも…。
まとめ:求人票で「譲れない条件」が満たされているか確認して
いかがでしたか?
産業保健師は求人数が少ないため、希望条件をすべて満たした職場に出会えるのは稀です。
未経験からの転職の場合、まずは産業保健師としての一歩を踏み出し経験を積むことが最大の課題。
そのためには妥協も必要ですが、求人票で「譲れない条件」が満たされているかを確認しておくと転職後の後悔が減らせます。
あなたの「譲れない条件」は雇用形態?給与の高さ?職場環境?
結果的に自分が納得できる良い転職になるように、求人票はしっかりチェックしましょう!
産業保健師の求人探しに難航している方はコチラの記事もオススメです✨