転職活動において企業リサーチは重要!
産業保健師の転職活動でも同じですが、こんな状況に陥っている方はいませんか?
- 企業について何を調べれば良いか分からない
- 企業のHPを見ても、思うような情報が得られない
- 健康経営に関する情報が見つけられない
ひとつでも当てはまった方はぜひこの記事を読んでください!
というのも、私も過去に同じ問題で悩んだことがあるからです💦
産業保健師視点での企業リサーチは少しコツがいるのですが、転職活動時はそんなこと分かりません。
今でこそ産業保健師になっている私ですが、満足な企業リサーチができないまま面接に臨んでいました。
私が企業リサーチで困ったことはこんなこと…
- 産業保健師として、どういう視点で企業リサーチすべきか分からない
- 企業の成り立ちや製品情報しか出てこない
- 「社員の健康に関する情報」が得られない
この記事では、同じように困っている方に向けて「産業保健師の転職活動における企業リサーチの方法」をご紹介✨
これから採用試験を受ける人は参考にしてみてください!
知りたい情報が見つからない?
企業リサーチをするとき、ほとんどの人がGoogle検索エンジンを活用していると思います。
おそらくこんなキーワードで検索をかけているのではないでしょうか?
そしてたぶん…
私が知りたい情報はこんなのじゃないんだよ~💦
と落胆していることと思います。
①産業保健師が知りたい情報は?
②なぜ知りたい情報が得られない?
まずはこの2点を解説していきます!
産業保健師を目指す人が知りたい情報
産業保健師は企業の健康経営をサポートし、従業員の健康を守る仕事。
きっとこんな情報が知りたいはずです。
- 健康経営に関する取り組み
- 社員の健康づくりで重点を置いていること
- 企業が抱える健康課題
すでにこれらの情報をGETできた人は課題クリア!
ここでページを閉じても大丈夫です✨
がんばってもこれらの情報にたどり着けない人は、このまま記事を読み進めてください💡
知りたい情報が見つからないわけ
企業について調べても、産業保健師として知りたい情報が出てこない…
そんな人も多いと思います。
なぜ知りたい情報が見つからないのでしょうか?
日本人なら知らない人はいない「トヨタ自動車」を例にお話していきます。
まずは「トヨタ自動車」の特徴から。
- 日本を代表する企業
- 日本全国、世界に事業所がある
- 関係会社も多い
有名な企業なので、まったく「トヨタ自動車」を知らない人でもこれくらいのイメージができるのではないでしょうか?
企業規模が多きすぎるので、「トヨタ自動車」だけでは引っかかる情報が多すぎます。
そのためトヨタ自動車 (事業所名)🔍と検索をかけるはずです。
そうすると事業所HPからこんな情報が得られます。
- 企業理念
- 会社概要
- 事業所概要
- 沿革
- アクセス
- 社長からのメッセージ
- 環境への取り組み
- お客様へのご案内
- 採用情報
あれ?
「健康への取り組み」はどこに書いてあるの?
お気づきのように、この検索方法では産業保健師として一番知りたい「社員の健康づくり」に関する情報は得られません。
もちろん入社を希望するなら、これらの情報もリサーチしておく必要があります。
ただ、これらの情報は本当に産業保健師として最も知りたいことでしょうか?
このように、検索しても必要な情報が得られないパターンはとても多いです。
結局何をリサーチすればよいか分からず
とりあえず、企業理念だけは丸暗記しておこう!!
という状態で面接に臨むことになります。
これではせっかく企業リサーチをしても活かすことができません。
【必見】健康施策に関する情報収集はココを見て!
いよいよ本題です。
産業保健師が求める「企業の健康づくり」の情報を得るために重要な視点・検索方法をご紹介します✨
情報収集する上で重要な視点
産業保健師が企業リサーチをする上で重要な視点、それは…
- 「社員の健康づくり」の実施者は、企業の経営層ではない
- 「社員の健康づくり」はあくまでも身内だけに関係する情報
ということ。
企業のメインHPは「お客様向け」に制作されたもの。
そこに「社員の健康づくり」など身内の情報が掲載されることは少ないです。
産業保健師を目指す場合、知りたいのは「身内向けの情報」。
お客さまに向けて作られた企業HPから情報が得られづらいのはこのためです!
健康保険組合のHPをチェックして!
皆さんもご存じのとおり、「社員の健康づくり」の実施者は産業保健師などの専門職です。
もちろん「健康づくり」に関して経営層の意見も反映されていますが、実施・取りまとめをしているわけではありません。
「社員の健康づくり」を実施するには以下の2つが必要不可欠なため、専門職にゆだねられています。
- 専門的な知識
- 社員に寄りそう姿勢
それぞれの事業所(支社)で産業医・産業保健師が健康施策を展開していますが、それを取りまとめている組織があります。
それが「健康保険組合」です。
先ほど例に出した「トヨタ自動車」などの大手企業は、何十万人もの従業員を抱えています。
そのため、独自の健康保険組合をつくり社員の健康管理を一手に引き受けているのです。
トヨタ自動車の場合「トヨタ自動車健康保険組合」が組織されています。
つまり…
社員の健康関連情報は
「健康保険組合のHP」
を見るのが一番の近道!
【例】健康保険組合HPから得た健康情報
実際に健康保険組合HPから「社員の健康に関する情報収集」を行ってみましょう💡
ここでも「トヨタ自動車健康保険組合」を例に挙げさせていただきます。
情報を全て書き出すとキリがないので、ここでは「HPのカテゴリー情報」と「各カテゴリーで得られる情報」を簡単にピックアップしています。
TOPページのカテゴリー | 記載されている情報 | 情報収集ポイント |
---|---|---|
トヨタ健保のご案内 | 健康保険組合の基本情報 健康経営に関して 機関紙の紹介 新着情報 採用情報 問い合わせ | 健康経営に関する企業の考え方は必ずチェック! |
健康保険ガイド | 健康保険証について 家族の健康保険について 保険料 退職後の健康保険 前期高齢者医療制度 介護保険について よくある質問 | |
保険給付ガイド | 医療に対する給付内容 こんな時の給付は? 給付の豆知識 よくある質問 | |
るぷる ※トヨタ独自の健康づくり施策 | 「るぷる」とは? るぷるに関する情報 よくある質問 | 社員の健康づくりに関連した取り組み内容が具体的に分かる |
健康づくり | 健康づくりにのための各イベント情報 | 現役社員対象のイベントは特にチェック! |
各種健診 | 健診の目的 健診制度について 特定保健指導について データヘルス計画 よくある質問 | かなり細かいデータだが、「健保の重点課題」が記載されている。 |
各種申請 | 各種申請に関する情報 |
これはあくまでも「トヨタ自動車健康保険組合」の例です。
詳細な情報を確認したい方は、ぜひ実際に健康保険組合HPにアクセスしてみてください✨
各企業の健康保険組合HPには同じような情報が掲載されています!
企業リサーチのときはそれぞれの健康保険組合HPをチェックしてください✨
独自の健康保険組合がない企業もある
独自の健康保険組合をつくるには、ある程度の従業員数を満たすことと厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。
そのため、すべての企業が独自の健康保険組合を持っているわけではありません。
独自の健康保険組合を持たない企業では、会社HPの「お知らせページ」に健康経営に関する情報が記載されていることがあります。
企業によっては、「健康づくり」関連情報を全く得られないケースも💦
でもそれはライバルも同じ!
焦らずいきましょう!
企業リサーチの使い方3選
企業リサーチをするだけではなく、それを上手に活用することも必要です!
企業リサーチの使い方を3つご紹介します✨
①志望動機に入れ込む
以前「履歴書の書き方」の記事でこんなことを言いました。
志望動機を書くとき、産業保健師の場合は「企業を選んだ理由」よりも「産業保健師になりたい理由」を書くべき!
この意見は今でも変わりません。
ただし!
企業の健康経営に関するリサーチが十分できていると…
①産業保健師になりたい理由
+
②その企業の保健師になりたい理由
この2本柱でアピールすることができます!
その企業を選んだ理由が明確だと、志望動機に深みが出る&熱意が伝わりやすいです✨
②自己PRと結びつける
職務経歴書を書く上で重要なのは「企業の需要を満たすこと」です。
企業リサーチを行うと…
健康経営に関する情報を得られる
↓
健康経営に関する企業の需要が
見えてくる
↓
自分の強み(知識・スキル・経験)を
結び付けるアピールポイントが分かる
産業保健師は競争率が高く、書類提出の時点で審査されることもよくあります。
書類を書く時、需要ポイントを押さえているとライバルに差をつけれます!
③面接時の逆質問に使う
採用面接では「逆質問」の時間が設けられます。
逆質問もアピールの重要な要素!
「特にないです」で終わるのはもったいない!
企業リサーチの内容をもとに
御社の健康づくりについて調べる中で〇〇とあったのですが、具体的にはどういう取り組みをされているのですか?
など踏み込んだ質問ができると…
健康経営に関することをリサーチした上で質問してくれているんだな。
と伝わって印象がアップします。
面接官に医療職がいなかった場合明確な回答が得られないこともありますが、それは問題ではありません。
「調べているよ」とアピールすることが目的だからです。
まとめ:健康施策をしっかりリサーチして一歩リード
いかがでしたか?
産業保健師は仕事柄、企業リサーチの視点も独特です。
「社員の健康」=「健康保険組合」という視点を覚えておくと、有意義な企業リサーチに活用できます。
私もそうでしたが、企業リサーチに健康保険組合HPを活用している人は少ないように感じます。
時間がない中での転職活動。
つい企業リサーチがおろそかになってしまいますが、ぜひじっくり調べる時間を取ってみてください。
産業保健師目線での企業リサーチが、ライバルとの差を広げてくれるかも。
健康保険組合HPの確認は、転職後の仕事内容をイメージしやすいという点でもオススメです✨