産業保健師は全国に約3400人とかなり少数です。
周囲に産業保健師の知り合いがいない人も多いのではないでしょうか?
- コネがないと産業保健師になれないと思っている
- 新卒で産業保健師になれなかったので、諦めた
- 産業保健師になりたいが、知り合いの産業保健師がゼロ
- 産業保健師の求人を紹介してもらえない
このような理由で足踏みをしている人も多いと思います。
かつての私がそうでした。
今では産業保健師になった私ですが、転職活動を始めたときはどうすれば産業保健師になれるのか全く分からず、諦めたこともありました。
はいはい、どうせ産業保健師なんてコネ入社なんでしょ。
と自暴自棄になったことも…(笑)
諦めず転職活動を継続し現役産業保健師となり、保健師採用に携わる機会もいただいて分かったことがあります。
それは「産業保健師はコネがなくてもなれる」ということ。
この記事では産業保健師になるための5つのルートを紹介しています。
産業保健師への道はひとつじゃない!
複数の方法を知ることで、転職成功への近道を手にしましょう!
コネがないと産業保健師になれない??
産業保健師を目指すことにしたけど…
どうやって求人を見つけたらいいの?
ネットを見ると知り合いの紹介で入職した人が多いみたい。
周りに産業保健師もいないし、コネがない私は諦めるしかないのかな~
産業保健師の求人は目にする機会が少ないですよね。
知り合いの紹介で入職している人も多く、不安になる気持ちわかります。
今日は「産業保健師になる5つのルート(方法)」を紹介します!
産業保健師になるための5つのルート(方法)
産業保健師になる近道ってコネですよね??
私そういう繋がりないから無理かも~
「産業保健師への転職はコネがある方が有利なんでしょ?」って思いがちですよね。
果たしてそれは本当なのか、5つのルートを解説しながらその謎を解明していきたいと思います。
ルート①大学からの紹介
看護大学にはいろんな病院から求人情報が集まります。
その中には、少数ですが産業保健師の求人が含まれている場合もあります。
それは、企業側にこんな理由があるからです。
- 卒業生が産業保健師として就職している
- 現役産業保健師の母校であれば、希望する人員をピックアップしてもらいやすい
- 入職を希望する生徒の人となりをリサーチしやすい
- 相性の良い人材を選びやすい
- 新卒で教育することで、企業が求める人材に育てやすい
- 人材派遣会社(転職サイト)に払う仲介手数料が浮く
このような理由で、看護大学に直接求人募集の声がかかります。
特に採用にかけるコストを減らしたい企業の場合は、一般募集よりも先行して看護大学に求人募集をかけることも。
- 現在在学中で、新卒産業保健師になりたい
- 大学は卒業しているが、産業保健師への転職を考えている
- 大学周辺地域で産業保健師になりたい
- 入職前に職場環境の内情(人間関係など)を詳しく知りたい
- 入職時の待遇(給与など)の交渉をするつもりがない
こんな人は大学からの求人紹介が向いているかもしれません。
一度大学の教授に相談したり、学生課が出している求人情報を確認してみてください。
今在学中で、「将来産業保健師になりたい!」という人にとってはゼミ選択が重要です。
公衆衛生系のゼミに入っておくと、保健師求人を紹介してもらえる可能性が広がります。
どのゼミに入るべきか、先輩にリサーチをかけて情報収集しておきましょう。
ルート②産業保健師をしている友人からの紹介
中には「友達が産業保健師をしているよー!」という人もいるかと思います。
そんな人も、一般求人募集より前に産業保健師求人を直接紹介してもらえるチャンスが!
産業保健師の求人が出るのは、次のようなタイミングです。
- 先住の産業保健師が退職する
- 産業保健師を増やしたい
- 産休に入る産業保健師がいる
- 新しく健康管理室を立ち上げる
従事している人数が少ないこともあり、産業保健師の世界はとても狭いです。
産業保健師を配置している企業が固まっている地域は特に、違う会社の産業保健師同士が知り合いなんてことも。
そのため産業保健師の友達がいるとこんなチャンスが得られるかもしれません!
- 友達の勤める企業が産業保健師の募集をかけるときに誘ってもらえる
- 独自のネットワークで他社の求人情報を一般公開より前に得られる
ポイントは、友達に「産業保健師になりたい!!!」という気持ちを知っておいてもらうこと。
友達からの紹介だと、仕事内容の実際や職場環境についての情報もしやすいので心強いですよね✨
ただし友達を介した求人には以下のような問題が生じることもあるので、気をつけましょう。
- 職場で起きた人間関係トラブルがリアルにまで波及する
- 「聞いていたのと違うな…」となることもある
- 退職したい時に、友達の顔を潰さないように注意が必要
- 退職後、友達と距離ができてしまうことがある
もちろんこれは全員に起こる問題ではありません。
可能性のひとつとして、心に留めておくと安心です。
ルート③産業医からの引き抜き
産業医の雇用形態は常勤(専属)と非常勤(嘱託)の2種類があります。
産業医の設置基準は次の表をご覧ください。
1名以上の常勤産業医 | 2名以上の常勤産業医 | 非常勤産業医 |
---|---|---|
1000名以上の労働者が勤務する事業所 | 3000名以上の労働者が勤務する事業所 | 労働者が50名以上999名以下の事業所 |
有害業務に500名以上が従事する事業所 |
大企業の場合は常勤産業医。
中小企業の場合は非常勤産業医であることが多いです。
看護師として働いていると、常勤産業医と出会う機会はほとんどありません。
しかし、非常勤産業医と知り合える可能性はあります。
それは非常勤産業医が次のようなパターンで働いているからです。
- 産業医として複数の会社の産業医を兼任している
- 普段はクリニックや診療所で勤務しつつ、月に1回程度産業医として企業に訪問している
とくに②の場合、普段は地域の臨床現場で働いているわけですから看護師をしていても出会える可能性はあります。
もし知り合いの医師が産業医をしているなら、「産業保健師になりたい」ことを伝えてみましょう。
委託元の企業で保健師を募集する場合に引き抜きの声がかかるかもしれません。
ルート④転職サイトの活用
ここまで読んで
なんだ、結局コネじゃないか
と思った方、ご安心ください!
そんな方の心強い味方が「転職サイト」です。
転職サイトのステマみたいに聞こえたらごめんなさい。
でも、実際コネがない私の味方は転職サイトでした!
転職後、保健師採用に携わる機会もいただき、次のような「企業側における産業保健師採用事情」がわかりました。
- 大勢の候補者の中から企業の求めるスキル・人物像を持つ人を吟味したい
- 企業側に必ずしも医療関係者・大学との繋がりがあるわけではない
このような理由から転職サイトを利用して求人募集を行う企業はとても多いんです。
転職サイトの利用にコネは必要ありませんから、産業保健師との繋がりがない人にとって利用しない手はありません。
転職サイトを利用するメリットは次のような点です。
- 多くの求人情報を同時に収集することができる
- 求人情報の中から、自分が興味を持った会社を選ぶことができる
- 入社後の待遇面など、自分では聞きづらい質問をエージェントに聞いてもらえる
- 入社後、友人や大学教授など周囲の人間関係のしがらみがなく働ける
- 転職サイトによっては、企業から「スカウト」を受けることも可能
転職サイトを利用した転職活動についてはコチラの記事で詳しくお話しています。
番外編:企業に電話をかけまくる
まれに「産業保健師の枠は空いていますか」と直接電話がかかってくることがあります。
すごくガッツと行動力があって、すばらしいです!
でも、そんなときに限って産業保健師の募集がかかっていなかったりするんです…💦
チャンスは自分で掴み取るものなので、この姿勢は間違っていません。
ただ、このやり方1本に絞った転職活動は大変もったいないです。
産業保健師になるためには縁とタイミングも必要。
電話をかけたときに、ちょうど募集がかかっていることは本当に稀だからです。
まずは求人情報を得ることが大事だと思います。
【体験談】私が産業保健師の求人を見つけるまで
コネもないし、未経験だし、産業保健師は無理でしょ。
と思っていた私が産業保健師を目指して転職活動を始めたのは、看護師5年目のとき。
きっかけは、ある日の夜勤明け唐突に
これからもずっと夜勤を続けていくの無理!!
と思い立ったことでした。
そこで、せっかく転職するならと大学時代から憧れていた産業保健師に絞って求人検索をしまくりました。
私の住む地域では産業保健師の求人が少なく、なかなか求人案件を見つけることができませんでした。
なんと登録した転職サイトは10社以上!
登録したことを忘れかけていたころ、そのうちのひとつから案件を紹介していただくことができました。
産業保健師の求人は、登録してすぐに紹介してもらえることは稀です。
それでもできるだけ情報の間口を広げておくことで、のちのチャンスにつながる可能性はあります!
まとめ:産業保健師への道はひとつじゃない
いかがでしたか?
本日は「産業保健師になるための5つのルート(方法)」についてお話しました。
絶対にコネが必要ってわけじゃないんだ!
産業保健師への転職はコネがなくても大丈夫!
あなたに合った方法で、焦らずに転職活動しましょう♪
産業保健師になるための転職活動は思ったより長期になることも。
人によっては1年以上かけてもなかなか縁に恵まれないこともあります。
次のポイントを心に留めて、転職活動を行いましょう!
- 周囲に「産業保健師になりたい」と知っておいてもらう
- 周囲に情報のアンテナを張りつつ、転職サイトも利用して情報収集をする
- すぐに良い求人に出会えなくても焦らない