「産業保健師は1人職場が多い」と聞いたことはないでしょうか?
- 未経験から産業保健師を目指している
- 新卒で産業保健師を目指している
- 周りに産業保健師がいない
産業保健師を目指す方の中には、このような状況にあり産業保健師の職場環境についての情報取集が難しい場合もあるかと思います。
産業保健師の職場環境というと、大きくこの2種類に分かれます。
- 1人職場…産業保健師が1名のみ配置されている職場
- 同僚保健師がいる職場…自分を含めて産業保健師が2名以上配置されている職場
私は現在、同僚保健師がいる職場で働いています。
仕事で出会う産業保健師の中には1人職場の方も多く、それぞれの職場環境についてお話を伺う機会もありました。
結論を言うと、未経験・新卒で産業保健師を目指している方には「同僚保健師がいる職場」をオススメします。
この記事では以下について知ることができます。
- 「1人職場」と「同僚保健師がいる職場」それぞれのメリット・デメリット
- 新人産業保健師に「同僚保健師がいる職場」がおすすめな理由
- 新人産業保健師が「1人職場」で働くときのポイントは?
現在産業保健師の転職活動中で、職場選びに迷っている方はぜひ読んでみてください♪
産業保健師の職場状況
「1人職場」の割合は?
産業保健師の職場は「1人職場」が多いと聞きますが、実際の割合はどうなのでしょうか?
『労働者健康安全機構(JOHAS)』が調査した産業保健職の雇用状況を見てみましょう!
産業保健師の配置状況
『令和2年度事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書』を読むと、産業保健師の配置状況にはこんな特徴があると分かります。
- 「1人職場」は従業員300~499人規模の事業所が最も多い
- 従業員規模400~999人規模の事業所では約6割が「一人職場」
- 従業員1000人以上規模の事業所では約半数が保健師を3人以上雇用している
フォロー対象者数が少ないほど、保健師の配置も少ない傾向です。
それぞれの職場環境 メリット・デメリット
「1人職場」と「同僚保健師がいる職場」
どちらで働く場合でもメリット・デメリットはあります。
それぞれ比べてみましょう!
「1人職場」で働くメリット・デメリット
「1人職場」とは、ひとつの事業所に産業保健師1名のみ配置している職場です。
産業保健師の他に、産業医(常勤もしくは非常勤)が必ず選任されています。
「1人職場」にはこんなメリット・デメリットが…
- 自分のペースで仕事ができる
- いろいろな経験が積める
- 仕事の全体像を把握しやすい
- 自分の目指す報告に計画を立てやすい
- 同僚間での派閥争いがない
- 同僚がいないため孤独
- 同じ立場でフォローしてくれる人がいない
- 1人で抱える仕事が多く、手が回らない可能性がある
- 自分が体調不良で欠勤した場合、他に仕事を任せられる人がいない
一人で気楽ってのはありそうですよね!
そうですね。
ひとりの分、面倒な人間関係に巻き込まれにくいのは魅力です✨
「1人職場」の場合、保健師は自分だけです。
常に裁量をもって仕事を任せてもらえますが、その責任の重さもなかなかのもの。
未経験から産業保健師に転職する場合、相談先がないことで業務が思うように進められないこともあります。
そんな「1人職場」が向いているのはこんな人です。
- アクティブな性格
- 計画性をもって仕事ができる
- 自発的な情報収集や勉強が苦ではない
- 社外に相談先を作るなど、人間関係の構築が得意
- 産業保健師の知り合いが多く、常に相談できる環境がある
- すでに産業保健師としての仕事を一通り経験している
「同僚保健師がいる職場」で働くメリット・デメリット
「同僚保健師がいる職場」は文字通り自分以外に保健師が配置されている職場です。
もちろん産業保健師の他に産業医(常勤もしくは非常勤)も選任されています。
「同僚保健師がいる職場」にはこんなメリット・デメリットが…
- 同じ立場で相談できる相手がいる
- 仲間がいるので心強い
- 業務を分担できる
- 自分が不在になる時、業務を任せられる人がいる
- 目標に向かって協力できる
- 同僚保健師と相性が悪かった場合、働きづらくなる
- 保健師同士の連携が取れていないと業務が円滑に進まないことがある
- 同僚が長期休職した場合、いきなり仕事量が増える
- 目指す目標がそれぞれ異なる場合がある
仲間がいる心強さはありがたいですよね✨
未経験からの転職の場合は、やっぱり相談先があることほど心強いものはありません!
「同僚保健師がいる職場」の場合、人間関係のトラブルには要注意!
センシティブな個人情報を取り扱うことが多い仕事柄、産業保健師の職場は閉鎖的になりやすいです。
病院勤務とは違い、産業保健師は部署異動が難しいので一度人間関係がこじれると本当に厄介💦
適度な距離感で接することを心がけておきましょう!
そんな「同僚保健師がいる職場」が向いているのはこんな人です。
- 他人の意見も尊重できる
- アサーティブなコミュニケーションができる
- 進んで情報共有と相談ができる
- すでに決められている業務のやり方に従える(抵抗がない)
- 同僚と円滑で友好的なコミュニケーションを心がけている
- 産業保健師として初めて勤務する
新人産業保健師に「同僚保健師がいる職場」がオススメな理由
新人産業保健師は必ず業務で躓きます。
躓き方は人それぞれですが、どんなに優秀な人であっても避けて通れない道です。
仕事がうまく行かないと落ち込んでしまいますよね。
そんなときに同じ保健師という立場で相談できる相手がいるととても心強いです。
また、産業保健師の仕事はとても範囲が広く、最初から全てひとりでこなすのはすごく大変…。
せっかく産業保健師になったのに、業務を回せず産業保健師の楽しさを知らないまま臨床に戻る方もいます。
新人のうちは、先輩に学ぶことができる環境に身を置くことが継続の秘訣です!
新人産業保健師が「1人職場」で働くときのポイント
中には、ご縁をいただいた企業が「1人職場」だったという方もいると思います。
そんな人のために、「1人職場」を生き抜くポイントをご紹介します!
- 産業医に相談する習慣をつける
- 外部の相談先を早くから見つけておく(他社の保健師や、SNSでの繋がりなど)
- 各都道府県に設置されている産業保健総合支援センターを上手く活用する
- 医療職者でなくてもいいので、弱音を吐ける相手を見つける(守秘義務は厳守!)
- 社外の研修や学会に積極的に参加して学びを深める
産業保健師デビューが「1人職場」だった人も存在します!
今はSNSでの交流も盛んなので、日本のどこかにいる先輩方が相談にのってくれます✨
まとめ:新人のうちは相談しやすい環境を
いかがでしたか?
本日は産業保健師の職場環境についてお話しました。
「1人職場」「同僚保健師がいる職場」どちらもメリット・デメリットがあります。
「新人には同僚がいる職場がオススメ」とお伝えしましたが、どちらが合っているかは人それぞれな部分も。
大切なのは、せっかく産業保健師に転職したのだから継続しやすい環境に身を置くことです。
どんな職場であっても以下のポイントを大切に、産業保健師を続けていきましょう✨
- ひとりで抱え込まないよう、相談相手を見つける(社内・社外どちらでも可)
- 人間関係は適度な距離感を心がける
- 自分から進んで学ぶ姿勢をもつ
「産業保健師の学び」について知りたい人はこちらの記事もオススメです♪
①産業保健師に必要な知識
②産業保健師に必要な能力(スキル)