「経験がないから、せめて転職に有利な資格を取っておきたい!」
これは未経験から産業保健師を目指す人が抱く悩みではないでしょうか?
- どの資格が産業保健師の転職で有利(強み)になるか知りたい
- 働きながら資格取得を目指している
- 資格取得にかかる時間・お金を知りたい
この記事はこんな風に感じている方にぜひ読んでいただきたい記事です。
現役産業保健師として働く中で、実際に役立つと感じた4つの資格
- 第一種衛生管理者
- 公認心理師
- メンタルヘルスマネジメント検定
- 産業心理カウンセラー
について、それぞれの特徴と資格取得にかかる時間・お金をまとめています。
働きながらの転職活動は本当に大変💦
時間もお金も無駄にできないですよね?
この記事を読むと、4つの資格取得かかる条件を知ることができます。
- 自分が今どれくらい時間をかけられるか
- 自費でいくらお金が払えるのか
ぜひあなた自身の条件に当てはめて読んでください。
あなたの条件に合った資格をチョイスして、効率よく転職の強みをつけましょう✨
未経験から産業保健師を目指すには「強み」がほしい
未経験から産業保健師への転職を目指す場合、どうしても経験者と比べてアピールできる武器が少なくなりがちですよね。
産業保健師として採用されるため重要なのは、人柄や看護観です。
そのため「未経験である」ということが必ずしも不利になるわけではありません。
ただ、そう思っていてもプラスαで武器が欲しいところですよね。
転職するまでに何かアピールできる資格とか取っておきたいんですけど、何が良いんでしょう?
では、プラスαの武器になるような資格を4つご紹介しますね。
それぞれ取得にかかる時間・お金についてまとめるので、どの資格を取るか決める参考にしてください✨
【産業保健師】オススメの資格・検定4選
第一種衛生管理者
第一種衛生管理者とは…
- 労働者の健康障害や労働災害を防止することを目的とした国家資格(労働安全衛生法で制定)
- 従業員を50人以上雇用する事業所は必ず第一種衛生管理者を選任しなくてはならない
第一種衛生管理者は産業保健分野には欠かすことができない「労働安全衛生法」に関わる資格です。
資格を取得しておけば十分なアピールポイントになるでしょう。
第一種衛生管理者は保健師資格の有無で取り方が変わります。
こんな人にオススメ
- すでに保健師資格を持っている
- 保健師資格は取得していないが、産業看護師を目指している
第一種衛生管理者の試験に合格することで資格を取得できます。
試験の受験資格として定められた実務経験を満たしている必要があります。
看護師の場合は定められた受験資格「省庁大学校を卒業(修了)した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの」に該当しているため、1年以上の看護師業務に従事していれば受験することができます。
- 保健衛生に関する学科を専攻して卒業し、労働衛生に関する講座または学科目を修めた方は試験が免除されることがある。衛生管理者取得大学一覧を確認のこと。
労働基準監督署や都道府県労働局に申請するだけで「第一種衛生管理者」の資格がもらえます。
ぜひ取得しておきましょう!
資格の種類 | 国家資格 |
難易度 | ★★★★☆ |
合格率 | 43.8%(2020年度) |
取得にかかる時間 | 4~6ヶ月程度 |
受験料 | 6,800円 |
試験日 | 毎月開催 |
資格の活用度 | ★★★★★ |
資格の認知度 | ★★★★☆ |
資格の有効期限 | なし |
資格の更新 | なし |
業務内容 | ◇職場環境の整備や改善 作業場等が清潔に保たれているか温度や空調、明るさなどは適正かなどをチェック ◇労働者に対する健康管理 健康診断の日程調整や、健康相談の場を設ける。 |
公認心理師
公認心理師とは…
- 2017年より施行された比較的新しい国家資格
- 心理士系の中で唯一の国家資格
- 複雑・多様化した人々の心の健康問題に対し、他の関係者と連携しながら支援を行う
比較的新しい資格なので、初めて耳にした方も多いのではないでしょうか?
聞きなじみのある「臨床心理士」は「日本臨床心理士資格認定協会」が定める民間資格。
今まで心理士の国家資格は存在していませんでした。
最近ではうつ病や発達障害を患う人も多く、公認心理師の専門的な関りが期待されています。
こんな人にオススメ
- メンタル支援に力を入れてアピールしたい
- 精神科での勤務経験がある
資格の種類 | 国家資格 |
難易度 | ★★★★★ ※受験資格の条件が厳しく複雑です。 自分が受験資格を満たしているかどうかは厚生労働省の資料で確認してください。 |
合格率 | 53.4%(2020年度) |
取得にかかる時間 | 6ヶ月~1年程度 |
受験料 | 28,700円 |
登録手数料 | 7,200円 |
登録免許税 | 15,000円 |
試験日 | 9月ごろ(2022年は7月開催) |
資格の活用度 | ★★★★★ |
資格の認知度 | ★★★★☆ ※2017年にできた資格なので正確に認知している人は少ない。今後認知度が上がる予想 |
資格の有効期限 | なし |
資格の更新 | なし |
業務内容 | ◇心理に関する支援を必要とする人に対し以下の業務を行う◇ ・心理状態を観察し、その結果を分析する ・心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う ・相談に応じ、助言、指導その他の援助を行う ・心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行う |
メンタルヘルスマネジメント検定
メンタルヘルスマネジメント検定とは…
- 「大阪商工会議所」が主催している公的資格
- 働く人達の「心の健康管理」に関する知識・対処法を取得することが目的
- 職位・職種別(対象別)に3つのコースが設定されている
- 受験資格の制限なし
臨床ではあまり耳にしない資格ですよね。
「メンタルヘルスマネジメント検定」は働く人が能力を発揮し仕事や職場で活躍できるよう、心の健康管理に関する知識や対処方法を取得することを目的としています。
「働く人」を対象にしているので、一般企業になじみやすい資格です。
3つのコースが用意されていますが、オススメはⅡ種(ラインケアコース)
公式テストの過去問を勉強していれば自己学習でも十分合格できるからです。
企業の人事や管理職の方の受験も多く、会場はサラリーマン風の人がたくさんです。
採用面接時に共通の話題になるかも。
こんな人にオススメ
- コスパを重視したい
- 自己学習で資格取得したい
- 「働く人の心の健康管理」に興味がある
Ⅰ種 (マスターコース) | Ⅱ種 (ラインケアコース) | Ⅲ種 (セルフケアコース) | |
資格の種類 | 公的資格 | 公的資格 | 公的資格 |
対象 | 人事労務管理スタッフ 経営幹部 | 管理監督者(管理職) | 一般社員 |
目的 | 社内のメンタルヘルス対策の推進 | 部門内、上司としての部下の メンタルヘルス対策の推進 | 組織における従業員自らの メンタルヘルス対策の推進 |
難易度 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
合格率 | 21.3% | 56.5% | 86.4% |
取得にかかる時間 | 6ヶ月~1年 | 4~6ヶ月 | 4~6ヶ月 |
受験料 | 11,550円 | 7,480円 | 5,280円 |
試験日 | 11月と3月ごろ | 11月と3月ごろ | 11月と3月ごろ |
資格の活用度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
資格の認知度 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
資格の有効期限 | なし | なし | なし |
資格の更新 | なし | なし | なし |
産業心理カウンセラー
産業心理カウンセラーとは…
- 日本能力開発推進協会 (JADP)が認定する資格
- 働く人達が抱える「人間関係のストレス・キャリアプランへの不安」に対する問題解決を援助
「産業カウンセラー」と名前が似ていますが、別資格です。
ネームバリューとしては「産業カウンセラー」の方が高いと言えるでしょう。
「産業カウンセラー」については、こちらの記事をどうぞ✨
「産業心理カウンセラー」を取得するまでの流れは以下の通りです。
- 日本能力開発推進協会(JADP)の指定講座に申し込む
- 自宅で指定の教材(テキスト・DVD)を用い学習し、4回課題を提出する
- 全カリキュラムを修了すると受験資格が得られる
- 日本能力開発推進協会(JADP)のHPより検定試験に申し込む
- 在宅で受験する(カンニング可)
カンニング可!!
衝撃!!
はい、そのため難易度は低めです!
講座の受講から受験まで、すべて在宅で行えるのも特徴です。
こんな人にオススメ
- 多忙な業務をこなしながら資格を取得したい
- 育児中など、試験のために会場に出向くことが難しい
- 「産業カウンセラー」取得は敷居が高いと感じている
資格の種類 | 民間資格 |
難易度 | ★☆☆☆☆ ※自宅で受験可能なため、カンニング可 |
合格率 | 非公開 |
取得にかかる時間 | 2ヶ月~4ヶ月程度 |
受講料 | 39,600円 |
受験料 | 5,600円 |
試験日 | カリキュラム終了後、随時在宅で受験 |
資格の活用度 | ★★★★☆ |
資格の認知度 | ★★★☆☆ ※知名度としては「産業カウンセラー」の方が高い |
資格の有効期限 | なし |
資格の更新 | なし |
まとめ:あなたに合った資格を取ろう!
いかがでしたか?
本日は「未経験から産業保健師を目指すとき有利(強み)になる資格」を4つご紹介しました✨
自己学習でも取れそうな資格もあって、なんだか安心しました!
目指す資格によってかかる時間も費用も全然違いますよね。
自分が強みにしたい分野や、かけられる時間などを考慮してどの資格を受験するか決めてください✨
- 「第一種衛生管理者」は保健師資格を取得しているなら必ず申請!
- 「公認心理師」は受験資格の基準が複雑だが、箔がつく。
- 「メンタルヘルスマネジメント検定」は難易度が3つに分かれているため、比較的取得しやすい。一般企業からの受験者も多い。
- 「産業心理カウンセラー」は講座の受講から受験まですべて在宅で可能。試験はカンニング可なので取得しやすい。