産業保健師は狭き門
どうせなら「一緒に働きたい」と思われる存在を目指したいですよね。
- どんな人が採用されやすいの?
- 採用の決め手になるのはどんなこと?
- 産業保健師はどんな人と一緒に働きたいと思ってる?
産業保健師を目指して就活する人にとっては気になる点ではないでしょうか?
私は未経験から産業保健師に転職し、現在5年目です。
結論からいうと、産業保健師の採用基準は「人柄重視」だと考えています。
産業保健師の採用面接に面接官として同席経験もあり、これまでの経験から考える「一緒に働きたいと思う人」についてまとめてみました!
あくまでも現場のイチ意見ですが、現役産業保健師がどんな人材を望んでいるか知ったうえで転職活動したいという方はぜひ読んでみてください✨
産業保健師の転職活動「需要のある人材」とは?
「一緒に働きたい」と思われる人材は需要がある!
未経験から産業保健師になる場合、「同僚保健師がいる職場」への転職を目指す人が多いと思います。
「同僚保健師がいる職場」では、先住の保健師が採用面接に同席することが多いです。
先住の産業保健師の意見はとても重要視され、採用の決め手になることも。
産業保健師が
「一緒に働きたい人材」=「需要のある人材」
このあと私が考える「一緒に働きたい人材」についてお話します✨
現場の産業保健師としてのイチ意見として参考にしてみてください!
「一緒に働きたい人材」って具体的には?
産業保健師が「一緒に働きたい人材」=「需要のある人材」と言われても、需要があるのはどんな人?
- 産業保健経験者が有利?
- 知識が豊富な人が良い?
- 人柄重視?
みなさんが気になるのはこの点ではないでしょうか?
結論からいうと「同僚保健師がいる職場」では圧倒的に人柄重視!
理由は以下の通りです。
- 産業保健の現場は医療職が少なく、チームワークが大切
- 経験、知識はあとからいくらでも補える
産業保健師は「職場風土の改善」のため他部署と連携して取り組む機会があります。
連携がスムーズにいくよう、人柄を重視している企業は多いです。
【一緒に働きたい】産業保健師として採用されやすい人の「4つの特徴」
「人柄重視」と言われても抽象的で分かりにづらいですよね。
そこで産業保健師として採用されやすい人の4つの特徴をご紹介したいと思います!
①報告・連絡・相談ができる人
「報・連・相はしっかりね!」
新人看護師時代にそう教育を受けた人も多いのはないでしょうか?
産業保健師の場合も同じです。
産業保健師を複数人配置している企業の場合、保健師ごとに業務を分担して受け持つことが多いです。
分担方法は大きく分けて2種類
- 業務分担制
⇒「健康診断担当」や「ストレスチェック担当」など業務ごとに担当保健師が決まっている - 人数分担制
⇒保健師ごとに「担当部署」が決まっており、部署単位で産業保健活動全般を展開する
このように保健師ごとに仕事を分担している場合、「報告・連絡・相談」ができないとお互いの仕事が把握できません。
同僚が「今どういう仕事をしているのか」「どういう状況なのか」が分からなければ必要な連携をとるのは難しいですよね。
保健師同士の連携がとれていないと、職場に良いパフォーマンスを還元できません!
職場をより良くしていくためには
「報告・連絡・相談」は必要不可欠!
②お礼と謝罪ができる人
人に何かしてもらったらお礼を言う。
自分が悪いときは素直に謝る。
人として当たり前のように思うかもしれませんが、中にはできない人もいます…。
産業保健師の仕事は多職種との連携が多く、円滑に進む方が珍しいです。
時には社内の他部署や、社外の関係機関と少し揉めることがあります💦
完全にこちらに非があることもありますが、時には理不尽な理由で怒られることも。
納得できないこともあるでしょうが、円滑に業務を進めるためにはお礼と謝罪が大切です。
お礼と謝罪ができないと相手との間に遺恨が残り、のちの業務に支障をきたすこともあります。
最悪の場合、連携不足から重大な問題に発展してしまう可能性も💦
なんでもペコペコ謝罪するべきとは言いません。
ただ相手の年齢・性別・立場関係なく必要なお礼・謝罪ができる人はとても魅力的ですよね✨
③失敗を振り返り、次に生かせる人
産業保健師の仕事は、従業員からの信頼がとても大切です!
仕事をしていると失敗することもあります。
失敗したときは原因を振り返り、次に生かすことがとても大切!
失敗を反省せず、同じことを繰り返していると周囲からの信頼を失います。
たとえ失敗したとしても、改善に取り組む姿を見たら助けたいと思ってくれる人は必ずいる!
周囲からの信頼を失わないよう、どんなときも真摯な姿勢をつらぬいて!
失敗したとき開き直るのではなく、反省する姿勢がある人は強いです✨
④問題に直面したとき、一緒に解決策を探ってくれる人
私が産業保健師になって5年が経過しましたが、いまだに日々の仕事で行き詰ることの多さに驚いています。
産業保健の世界は正解があいまいなことも多く、判断に迷う事例がたくさんあるんです💦
そんな環境なので、同じ立場で相談できる人がいてくれるととても心強い✨
これはどれだけ経験年数があっても同じです!
とびきり良い意見が言えなくても、知識が豊富じゃなくても大丈夫。
一緒に悩んで、考えてくれる存在は
本当にありがたいんです✨
ともに悩んで、解決までの道を探ってくれる姿勢が何よりもうれしい!
一人の社会人としての姿勢が重要
さて、産業保健師として採用されやすい人の4つの特徴をお話しました。
- 報告・連絡・相談ができる人
- お礼と謝罪ができる人
- 失敗を振り返り、次に生かせる人
- 問題に直面したとき、一緒に解決策を探ってくれる人
これらをクリアするには特別な知識も技術も必要ありません。
産業保健師の経験がなくても培うことができます。
特別な知識・技術があることはもちろん武器になりますが、土台(人柄)がしっかりしていなければ十分活用できません。
産業保健師は対人支援職
「周囲からの信頼を大切に日々を送っていること」が何よりのアピールポイントになると私は思います。
自分の人柄はどうやってアピールする?
自分の人柄をアピールするのってとても難しいです!
では、相手の企業に自分の人柄をアピールするにはどうすれば良いのか?
2つの方法をご紹介します!
①履歴書に入れ込む
自分の人格について、直接的に履歴書に書くのはハードルが高いです。
例えば、わざわざ自分で「私はきちんと謝罪できる人間です!」って宣言するのも変ですもんね(笑)
「産業保健師として採用されやすい人の4つの特徴」それぞれをエピソードとして入れ込むときのヒントは次の通りです。
- 報告・連絡・相談ができる人
-
point
- 「報告・連絡・相談」は社会人としての基本的なスキルなので、あえてワードとして出さない。
- チームワークの大切さを実感しているエピソードとして入れ込む
例:
医療現場はチームワークが大切です。
患者さんに安全・安楽な看護を提供できるよう、チームでの連携強化を積極的に行ってきました。
例えば患者さんの対応で悩んだときは進んでチームカンファレンスの議題に取り上げ、チーム全体で患者さんの状態をアセスメントする機会をもてるよう働きかけるなどです。
産業保健師の分野においてもチームワークを大切にしていきたいと考えています。
進んで他部署や社外の関係機関と連携がとれるよう働きかけていきたいです。
- お礼と謝罪ができる人
-
point
- お礼、謝罪ができることは社会人として基本的なスキルなので、履歴書でアピールするよりも面接時の態度で示す方が良い
- 面接時が始まる前後に「お時間をいただきありがとうございます。」と感謝を述べること。
- 失敗を振り返り、次に生かせる人
-
point
- 実際の失敗談をエピソードとして入れ込む
- 失敗をもとに「どう改善したか」を伝えることが大切。
例:
私は患者さんの気持ちに寄りそった関りを大切にしています。
看護師1年目のとき、なぜ患者さんが生活改善できないのか理由を深く考えず、一方的に知識だけ提供したことがあります。
そのとき「看護師さんに僕の気持ちは分からない」と言われたことが心に残っており、それから自分の関わりについて振り返るようになりました。
今はまず患者さんと一緒に原因を考え、実践・継続できそうな指導するよう心がけています。
「おかげで少し生活を変えることができたよ」と言ってもらえる機会も増え、これからも患者さんの背景を理解した上で、気持ちに寄りそえる関りを大切にしていきたいと考えています。
- 問題に直面したとき、一緒に解決策を探ってくれる人
-
point
- 今までの経験で困難に直面したエピソードを書く
- 「どのように解決したか」の結果があると◎
例:
患者さんによりよい看護を提供するため、多職種との連携を大切にしています。
過去に担当した患者さんの中で、高齢で身内のいない方がいらっしゃいました。
本人は自宅退院を強く希望されていましたが、とても一人暮らしを継続できる状態ではありません。
そこで、地域連携室をはじめとする多職種との連携を強化し、チームでサポートできるよう働きかけました。
要介護認定の調整を行い、福祉サービスを導入できたのでご本人は自宅に退院することができ地域のサポートを受けながら今も一人暮らしで通院治療を継続できています。
産業保健師となった場合も、対象者がより良い状態を維持できるよう、社内や関係機関との連携を密に関わっていきたいです。
「履歴書の書き方」「自己PRの例文」が知りたい人はコチラの記事を読んでください✨
②会話する中で、人柄が伝わる
看護師をしているとこんな経験はないですか?
- しばらく会話していると初対面の患者さんのキャラがなんとなく分かる
- 後に対応注意になる患者さんは、初対面から違和感がある
これは看護師として多数の患者さんと関わる中で非言語的コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)に敏感になっているからです。
採用面接で同席するのは…
- 人事
- 所属科の課長
- 保健師
- 産業医
どの人も他人と関わることの多い仕事です。
特に人事や医療職は人を見るプロ!
面接でチェックされているのはあなたが話す言葉だけではありません。
次のような非言語的な要素も無意識にチェックされています。
- 声の大きさ、トーン、スピード
- 会話の間(ま)
- 表情
- 視線
- 姿勢
- 身振り手振り
- 服装
会話によって相手が受け取る情報は
言語的コミュニケーション…7%
非言語的コミュニケーション…93%
言葉でのアピールも大事ですが、印象のほとんどは「非言語的コミュニケーション」から受け取られています。
面接など相手と会話するときは、発する言葉だけではなく非言語的コミュニケーションも意識しておくと良いです✨
非言語的要素からも「この人と働きたいな」と思ってもらえる人を目指しましょう!
まとめ:産業保健の現場はチームワークが大切
いかがでしたか?
産業保健の現場はただでさえ医療職の人数が少ないため「チームワークが命」なんです。
なので
人柄>知識・経験
と考える企業は多いです。
知識や経験は、本人の努力次第であとから何とでもなるもの。
しかし、人柄は昨日今日で変えられるものではありません。
「この人と一緒に働きたいな」と思ってもらえるような人物でいられるよう、日々を過ごしましょう✨
経験年数を重ねるほど初心を忘れがち…。
私も自分を振り返って「一緒に働きたい」と思ってもらえるようがんばります✨