産業保健師に転職する時、「産業カウンセラー」の資格があれば有利になる
と聞いたことはありませんか?
- 「産業カウンセラー」の資格を取ると、転職市場価値は高まるの?
- 「産業カウンセラー」を取得するために必要な時間・お金が知りたい
- 今は時間がなくて「産業カウンセラー」の資格を取れないので不安
「産業カウンセラー」に関してこんな風に感じている人も多いのではないでしょうか?
よく「産業カウンセラー取得は産業保健師に転職するとき有利」と聞きます。
そう言われても、時間やお金の問題で資格取得に踏み切れない人も多いのではないでしょうか?
私だけ「産業カウンセラー」を持ってないんじゃ…。
これじゃより転職に不利な状況になっちゃうよ💦
と不安になっている人もいますよね。
かつての私です。
結論から言うと、私は「産業カウンセラー」を取得せずに未経験から産業保健師に転職しました。
- 「産業カウンセラー」ってどんな資格なの?
- 「産業カウンセラー」の資格取得にかかるお金は?
- 転職前に「産業カウンセラー」の資格を取るメリット・デメリットは?
- 転職後に「産業カウンセラー」の資格を取るメリット・デメリットは?
- 「産業カウンセラー」をお得に取得する方法は?
この記事ではこれらの疑問について追及しています。
「産業カウンセラー」を取得するのか、いつ取得するのが自分に合っているのか
産業保健師を目指すあなたの悩みを少しでも解決できるはず。
ぜひ読んでいってください。
「産業カウンセラー」ってどんな資格?
「産業カウンセラー」と心理カウンセラーの違い
まず、心理カウンセラーと「産業カウンセラー」の特徴について比べてみましょう。
心理カウンセラーとは…
臨床心理に関する専門知識を活かし、カウンセリング等により、心や対人関係などの悩みを抱えた人への支援を行う。
職業情報提供サイト(日本版O-NET)
産業カウンセラーとは…
産業カウンセラーは、職場でカウンセリングをおこなうカウンセラーです。
心理学的手法を用いて、働く人たちが抱える問題を、自らの力で解決できるように援助することを主たる業務としています。
JAICO 日本産業カウンセラー協会
どちらも心理の専門知識を用いて人々の悩み・問題の解決を援助する役割があります。
「産業カウンセラー」の方では、「職場で」「働く人たちが」という文言が使われていることから、特に産業分野で働く人たちの問題解決に特化したカウンセラーということが分かります。
「産業カウンセラー」の役割って?
「産業カウンセラー」は日本産業カウンセラー協会(JAICO)が定める民間資格です。
先ほどもお話したように、産業分野で働く人たちの問題解決に特化しています。
今の日本は以下のような職場環境に関する問題が増えていますよね。
- ハラスメント問題(パワハラ・セクハラ・モラハラ・マタハラなど…)
- メンタル不調
- 人間関係に関するトラブル
- 長時間労働
「産業カウンセラー」は組織や従業員が従業員が抱える問題を自ら解決できるよう、心理に関する専門知識を用いて支援する役割があります。
そのため産業保健分野で重宝されている資格です。
国や自治体・企業等からも専門的な役割を期待されており、以下の3つの活動領域に従った支援を行っています。
- メンタルヘルス対策への支援
- キャリア形成への支援
- 職場における人間関係開発、職場環境改善への支援
メンタルヘルスだけでなく、職場環境やキャリア形成への支援が求められているのが特徴です!
「産業カウンセラー」に求められる能力とは?
産業カウンセラーが組織や従業員を支援していくために、次の3つの能力が必要とされています。
- 傾聴力…相談者が自分の感情や思いを理解し、自ら決断・行動できるように支援していく
- 心理学…メンタルヘルスや労働関係の法律など、個人と組織の支援に活用する
- 調整力…職場環境や人間関係の改善のため、コミュニケーション能力が必要
看護師に必要な能力と似ていますね。
「産業カウンセラー」取得に関するイロハ
「産業カウンセラー」の受験資格は?独学でも大丈夫?
「産業カウンセラー」の受験資格を得るには、以下のいずれかを満たしている必要があります。
- 20歳以上の成人で、日本産業カウンセラー協会が開催する「産業カウンセラー養成講座」を受講した人
- 4年生大学で心理学もしくは人間科学などの専攻科を卒業しており、指定の単位を取得かつ協会が行う産業カウンセリングの技能を修得するための講座を修了した人
- 大学院で心理学もしくは人間科学などの専攻科を卒業しており、指定の単位を取得した人。
- 社会人としての職業経験が3年以上あり、大学院研究所で指定の単位を取得した人。
- 「指定された単位」など、詳細な受験資格については公式HPを参照してください。
つまり看護師・保健師が「産業カウンセラー」の受験資格を得るためには…
看護専門学校を卒業⇒養成講座の受講が必須。
看護大学を卒業⇒「指定の単位を取得」していなければ養成講座の受講が必須。
条件を満たせば独学での受験が可能ですが、多くの人は養成講座を受講し受験資格を得ているようです。
「産業カウンセラー」取得にかかる時間とお金
資格を取るときに一番気がかりなのは、「どれくらいの時間とお金を費やせばいいのか」。
講座受講から試験終了まで、「産業カウンセラー」資格取得にかかる時間とお金を表にまとめてみました✨
講座費用 | 297,000円(教材費を含む・税込) ※受験資格を得るために「養成講座の受講する」場合 |
合格率 | 62.7%(2020年度) |
受講期間 | 春開講6ヶ月コース :2021年4月20日(火)~2021年10月31日(日) 秋開講6ヶ月コース :2021年11月1日(月)~2022年4月30日(土) 冬開講10ヶ月コース:2022年1月11日(火)~2022年10月31日(月) ※オンライン受講も可能 ※2021年のスケジュール |
申込開始 | 春開講6ヶ月コース :毎年1月中頃より開始 秋開講6ヶ月コース :毎年8月中頃より開始 冬開講10ヶ月コース:毎年10月中頃より開始 ※申込みは先着順。定員に達し次第、受付終了の場合あり。 |
試験時期 | 春開講6ヶ月コース :翌年1月 秋開講6ヶ月コース :翌年7月 冬開講10ヶ月コース:翌年1月 |
受験料 | 33,000円 |
登録料 | 7,000円 |
年会費 | 10,000円 |
有効期限 | 資格取得後から5年間有効。 5年ごとに資格更新が必要。更新時期までに産業カウンセラー「資格登録更新研修」を30ポイント分受講する必要がある。 |
資格喪失時 | 期限内に資格更新ができなかった場合、資格喪失となる。 その場合、再試験(52,500円)が必要。 |
養成講座を受講して「産業カウンセラー」取得する場合にかかる時間とお金のトータルは…
- 養成講座の受講から試験までにかかる時間は最短で約8ヶ月
- 講座受講から試験合格後までにかかる費用は総額347,000円
「想像より時間とお金がかかる」と驚いた方もいるのではないでしょうか?
「産業カウンセラー」の資格は、養成講座受講者が多いことから合格率62.7%と比較的易しい難易度。
しかし想像以上に時間とお金がかかるという面から、転職活動中の取得を諦める人も多いようです。
「産業カウンセラー」の試験内容は?
「産業カウンセラー」の試験は「学科試験」と「実技試験」の2つ。
養成講座の内容に沿って出題されますので、試験対策は比較的しやすいです。
ただし、過去問題は公開されていません。
「産業カウンセラー」資格取得時期はいつがいい?
転職前に「産業カウンセラー」を取っておいた方が有利なの?
産業保健師を目指して「産業カウンセラー」の資格取得を考えている場合、気になりますよね。
転職前に勉強を兼ねて取得しておく?
転職後に実務経験を積みながら取得を目指す?
正解はないですが、転職前・転職後それぞれのタイミングで資格を取得した時のメリット・デメリットを比較してみたいと思います!
転職前に取得する場合
転職後に取得する場合
それぞれメリット・デメリットがありますが、1番大きい問題は「費用」ではないでしょうか。
養成講座の受講が必須な場合、自己負担額は総額347,000円と高額です。
転職後に「産業カウンセラー」を取得する場合、業務上有益な資格であることを会社にアピールできれば資格取得にかかる費用を一部(あるいは全額)会社が負担してくれる可能性もあります。
少しでもお得に資格を取得する方法は?
費用が高いのは知ってるけど、やっぱり転職前に「産業カウンセラー」を取りたい!
という方もいますよね。
少しでも費用を安く抑える方法をご紹介します!
教育訓練給付制度とは?
教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
対象となる教育訓練は、そのレベルなどに応じて3種類(専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練)があり、それぞれ給付率が異なります。
厚生労働省
「産業カウンセラー」も支給対象です。
教育訓練給付制度についての詳細は厚生労働省HPを確認してみてください✨
教育訓練給付制度に関する
Q&A
(産業カウンセラーver)
「産業カウンセラー」の受講費用は学費ローン制度の対象なので、分割払いすることも可能です。
しかし金利が高いので、ローンを組んでまで受講することはお勧めしません。
まとめ:自分に合った資格を取ろう
いかがでしたか?
本日は「産業カウンセラー」取得にかかる時間・お金をメインにご紹介しました。
想像よりも時間・お金がかかると感じた人も多いのではないでしょうか?
総額30万円超えはビックリしました!
企業によっては資格取得にかかる費用を会社が負担してくれるケースもあるので、産業保健師として入職してから取得を目指しても良いですね。
「産業カウンセラー」は産業保健分野への転職を考えている人にとっては勉強になる&自己アピールに使いやすい資格です。
特に保健師の資格を持たない人にとっては魅力的な資格ではないでしょうか。
あらためて「産業カウンセラー」の取得についてポイントをあげます。
産業カウンセラーを取得するには…
- 養成講座の受講が必要な場合、資格取得までに最短で約8ヶ月かかる
- 講座受講から試験合格までにかかる費用は総額347,000円
- 「産業カウンセラー」の資格取得後、5年ごとに資格更新する必要がある
- 企業によっては、資格取得にかかる費用を会社で負担してくれる場合がある
- 産業保健師になるときの勉強になる、自己アピールに活用できる資格
時間・お金がかかる資格なので、転職前に取得を目指す場合はよく検討することをオススメします!
産業保健師への転職を目指す方の強みになる資格は他にもあります!
ぜひコチラの記事も読んで、自分に合った資格を探してみてください✨